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山梨の山

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北岳で出会った花達(その20 甲斐駒ケ岳にコマクサはあったか)

2008.10.02 12:18  投稿者:ootaminoru

コマクサ{ケシ目 ケシ科(叉はケマン科) コマクサ属 コマクサ}
     漢字は駒草です。馬の顔に似ているからだそうです。

北岳を含む南アルプスにはコマクサが現在見つかっていません。

もう少し正確に記述します。
どうしても引用する元になる文献が見つからないのですが、明治時代に京都大学の山岳部が甲斐駒ケ岳登山をして甲斐駒ケ岳でコマクサを発見した。
甲斐駒ケ岳は南アルプスの最北端の位置にある山ですから南アルプスです。
現在、京都大学農学部の図書館にその標本が残されている。
そんな記述を40年ほど前に何かで読んだ。しかし、現在どうしても確認できません。
この私の記憶が正しいとするならば南アルプスの甲斐駒ケ岳にあったことになります。
しかし、現在迄に甲斐駒ケ岳を含む南アルプス全域で明治時代の京都大学山岳部の発見して以来の発見のニュースを見聞きしたことがありません。

現在コマクサの分布は御嶽山、乗鞍岳、八ヶ岳、木曽駒が岳、北アルプス、浅間山、草津白根山、蔵王岳、岩手山、北海道では大雪山系です。
世界的には千島列島、サハリン、カムチャッカ等です。
それらの分布地は全て火山叉は火成岩です。何らかの理由で火山地にコマクサは定着しやすいようです。
甲斐駒ケ岳は火山の山ではありません。地下深い場所でマグマがゆっくり冷えて固まった花崗岩が地殻変動で持ち上がり地表に出てせりあがった山です。そうした事から甲斐駒ケ岳はどちらかと言えば火山ではありませんが火成岩です。

一方、甲斐駒ケ岳を除く南アルプスは水成岩です。ですから南アルプスには過去においてもコマクサは分布していなかったと私は推測しています。


現在、信州大学学報503号(平成8年2月号)に特別寄稿として信州大学学生部長千葉茂雄氏がコマクサの南限として甲斐駒ケ岳と記述しておられます。それは恐らく、先ほどの明治時代の京都大学山岳部の発見を根底にしておられると推測します。
叉南アルプス駒ケ岳(甲斐駒ケ岳のこと)の山岳バッチのデザインにコマクサが描かれています。木曽駒が岳は中央アルプスに属し南アルプスではない。
そのバッチの写真は1です。このコマクサのデザインの根拠も同じ京都大学山岳部だろう。

学術的な厳密な意味ではなく、生身の登山者が眺める事の出来るコマクサが南アルプスで見つかっていないのはしゃくの種です。
しかし、どうしょうもありません。事実は事実です。
コマクサは高山植物の「花の女王」と言われています。
有るか無いかは大問題な訳です。
学術的にも観光や文化や巷の経済効果としても大変影響があり興味のあるところです。

今から10年ほど前に、当時は未だ南アルプス市が存在しなく(合併していませんでしたので)北岳を含む南アルプスの山梨県側の山域は芦安村の地籍に属していました。
芦安村の観光協会で「南アルプス北部」の登山ガイドパンフレットを発行していました。写真入の素晴らしいガイドパンフレットです。
私は山梨県庁の1階ロビーにあった登山ガイドパンフを頂きました。
そこにキタダケソウと共にコマクサの写真が掲載されていました。
これは登山者を対象とした登山ガイドとしては不適切で事実に反する。
早速芦安村観光協会に電話して現在存在するのかどうかの事実関係を確認して欲しいと依頼しました。
当方としては明治時代の京都大学の故事を説明申し上げた上で現在の状況を確認して欲しかったのです。
電話番号は芦安村役場で内線で切り替えられていました。
担当の女性が電話に出て、即答で「あります」。と言い切ります。
何処の場所に有ったかは言わなくても良いからもう一度あった事実を書物や文献から確認して欲しいとお願いして1週後に叉、電話することにして切りました。
一週間後に再び電話しましたら、調べた結果やはり「あります。」と言います。

書類や文献名を示して欲しいと言っても答えません。南アルプスでは絶滅種叉は絶滅に近い危惧種と思われるので県庁の林務部とか学術文化財課(何処が担当課か本当は知らない。)に問い合わせば事実がハッキリします。問い合わせて事実関係を当方で調べますと。明治時代以降存在を確認出来ていないとするならば10年位で地方病撲滅宣言した事に考え合わせれば絶滅種と言えるのではないでしょうか。現在の時点で、コマクサの存在が確認できなかった場合は県庁担当課から芦安観光協会に行政指導をして頂きます。と告げて電話を終えました。

そしたら翌日、先方から電話があり、コマクサはありませんでした。キタダケソウと間違えしていました。との回答を得ました。そして次回の印刷発行の時には改版してコマクサの写真を削除します。と先方から回答していただきました。
それでこの件は一件落着しました。
その当時は芦安の広河原行きバス乗り場付近の旅館や店等の看板に店名を含めてコマクサをデザインしたものが複数見られましたが、数年の時を経て見られなくなりました。
芦安観光協会を通じて協議して自粛したものと思われます。
そこまでは期待してなかったのに。

写真1が南アルプス駒ケ岳(甲斐駒ケ岳)のバッチで右の上にコマクサの花、中ほどに葉が描かれています。HPから拝借しました。
このバッチの発行は長野県側で企画しデザインし鋳造し販売したものだと推測します。長野県、特に伊那谷の人達は今でも木曽駒ケ岳を西駒ケ岳、甲斐駒ケ岳のことを東駒ケ岳と言います。甲斐駒ケ岳とは言いません。
西駒ケ岳も東駒ケ岳もオラ達の山だと思っています。二つセットで東西駒ケ岳です。

興味ある事として山梨県の南アルプス市営の広河原から北沢峠の山岳バスの車中観光ガイドの放送で広河原を出発して程なく長野県、特に伊那谷地方では甲斐駒ケ岳の事を東駒ケ岳と申します、とアナウンスします。長野県伊那谷の山を想う気持ちに気を使っているように思えます。
古から甲斐駒ケ岳は伊那谷の文化圏に入っていた山だと覗えます。

現在に至るまで、山梨県側と長野県側で山についての確執があるように思います。駒ケ岳信仰を含めてこの項は後日別途に記したいと思います。
バッチを山梨県側で企画し鋳造し販売したのであればきっと甲斐駒ケ岳と記載するでしょう。
(国土地理院に記載されている名称は甲斐駒ケ岳です。)

写真2と3は今年の7月21日白馬岳で小生が撮影したコマクサです。


高山植物は登山客や麓の観光にとって大切な資源です。
自然科学的な学問の範疇の世界だけでは済まされず、世俗的な金銭にまで影響を及ぼすものです。
確証がつかめませんので名前は明かせませんがコマクサの種子を大量に播い
てコマクサの一大生育圏を作ったとの噂がある山域があります。
大体発芽から開花まで8年掛かるそうです。

観光、地域の活性化等経済が入り込みますと自然も守る事は難しくなります。
不法盗掘に対して、根も葉もない地域に全く別な地域からのDNAを持つ植物を人工的に持ち込んで分布地を作り出す事だってあり得ると思います。
高山植物は少なくとも1万数千年の昔に間氷期の温暖化でその山域に閉じ込められて隔離された植物なのです。その山域以外のDNAともはや交雑することなく孤立化したのです。
人工的に20年から30年の時間差を利用して生育地を作り後追いで既成事実として認知して行く、、、、、、、。
そんな事にならないことを念願してやみません。


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